自転車が、町と町、人と人をつなぐ

北阿蘇観光会議・上野さんと語る、このエリアの可能性

上野さんってどんな人?

「好きな自転車を仕事にできれば、それくらいの感覚でした」
そう笑って話してくれたのが、小国町地域おこし協力隊、そして北阿蘇観光会議で活動する上野さん。
実は正屋の古くからのお客様であり、正屋レーシングチームの選手でもある。
そして、正屋スタッフ・上野蓮のパパでもある、正屋にとってとても身近な存在だ。



もともとは福岡在住。オートバイのモトクロスバイクやネイキッドバイクから始まり、マウンテンバイク、そしてロードバイク、シクロクロスバイク、グラベルバイクと自転車歴を重ねてきた。小国町(おぐにまち)には以前からバイクツーリングで訪れており、ミルクロードや外輪山を走るのが定番コースだったという。
小国に移り住んでからは「今はほとんど利用されなくなった林道まで走るようになった」と、エリアへの愛着がさらに深まった様子。

転機は50歳のタイミング。

「20年以上やってきた仕事もひと区切りついたかなというところで、大好きな自転車を少し仕事にできれば」と一念発起。前任の協力隊員との縁がきっかけとなり、地域おこし協力隊として小国町へ移住した。
20代・30代のイメージが強い地域おこし協力隊だが、年齢制限は各自治体の判断による。
上野さんのように人生の折り返しを過ぎてから新天地に飛び込む人も確かにいる。
そのパワーと覚悟は、話を聞いていて確かに伝わってきた。
(上野さん、マジで凄すぎます……!)

北阿蘇観光会議とは

北阿蘇観光会議は、小国町・南小国町(みなみおぐにまち)・産山村(うぶやまむら)の観光協会・事業所・役場が集まって構成する広域連携組織だ。 このエリアの課題は、「通過点になりやすい」こと。阿蘇の外輪山を抜けていく地理的な特性上、立ち寄りはするけれど素通りされやすい。「少しでも周遊・滞在してもらえるエリアにしたい」という思いが、この会議の根っこにある。 上野さんの担当ミッションは、自転車を切り口にしたエリアの魅力づくり。 小国町単体ではコース設定の多様性に限界があるため、南小国・産山を繋いで走れるフィールドを整備し、町村の境を越えた周遊を促すことを目指している。
https://www.instagram.com/asoogunikanko/

 正屋と小国町 ― 25年以上続く縁

実は正屋(岩崎)と小国町の縁は、かなり深い。 2001年、MTBジャパンシリーズが小国町で開催された。岩崎はコース作りの段階から大会に関わり、地元の有志の皆さんと共に汗をかいた。大会当日はチームダンタクマ(JAMIS)のメカニックとして参加。正屋のお客様も多く出場し、何を隠そう現正屋スタッフの奥村と敷田も選手として参加していた。
まさに正屋総出で小国に関わった大会だった。

大会終了後も、コースの草刈りやメンテナンスを続け、マウンテンバイクやロードのイベントを継続して開催している。宿泊を兼ねた泊まりがけのものから、日帰りのカジュアルなライドまで、形を変えながら長く続いてきた。ジャパンシリーズ時代から繋がる地元の有志の方々との親交は今も続いており、正屋にとって小国町はそんな特別な縁のあるエリアだ。
https://www.masaya.com/474

今回の取り組み ― 親子でワクワク走行チャレンジ

今回、北阿蘇観光会議と正屋が連携して取り組んだのが、「親子でワクワク走行チャレンジ」だ。 コンセプトはシンプル。「自然の中で遊ぶ楽しさを、自転車を入り口に体験してもらう」こと。目の前に広がる草原フィールドを舞台に、家族みんなで走れる場を作った。自転車を通じて北阿蘇エリアを知ってもらい、また来たいと思ってもらう。そのきっかけを作るイベントだ。
ところが「北阿蘇ってどこ?」という人がほとんど。



産山村に至っては、まず読めない(うぶやま、と読む)。そのくらい認知度は低い。だからこそ、伸び代も大きい。「インスタで草千里みたいな写真を見たことはある。でもそれがどこにあるかは知らない」——そんな福岡の人たちに、北阿蘇という場所とその名前を届けることが、まず第一歩だ。 当日はあいにくの天気でしたが機会があればリベンジしたいですね。

上野さんが描く、これからの北阿蘇

上野さんが目指すのは、「自転車を軸に、家族みんなで巡れるアクティビティの場」だ。 「今日ちょっと走りに行ってみようか、という気軽なきっかけを作れたら」と上野さんは言う。大きなイベントだけでなく、福岡から数時間で、日常的に遊びに来られる場所。それが北阿蘇の次のステージだ。草原や林間フィールドを活かしながら、自転車だけでなく歩く・遊ぶ・泊まるが全部できるエリアへ。その絵を、上野さんは少しずつ、着実に描いている。 フットパス(歩いて巡る道)との連携も視野に入れており、自転車に乗らなくても楽しめるエリアとしての発信も考えている。小国・南小国・産山、それぞれ異なる景色と地形を繋いで走ることで初めて見えてくる「北阿蘇らしさ」を、もっと多くの人に届けたいと話す。

おわりに

北阿蘇は、知る人ぞ知るエリアだ。でも本当は、もっと多くの人に知ってほしいエリアでもある。 正屋にとっては25年以上の縁がある場所であり、上野さんという心強い仲間がいる場所でもある。これからも北阿蘇との縁を大切にしながら、このエリアの魅力を一緒に発信していきたい。
上野さん、ありがとうございました。
次は晴れの日に、一緒に走りましょう!

取材・文:岩崎(正屋)